こんにちは。
友人からヴィンテージオメガ デビル(De Ville)を預かりました。
買った頃に比べて進んでしまうようです。
どういった具合なのか見てみましょう。
文字盤側です。
風防に傷こそ多かれ、花柄の美しいフェイスが楽しませてくれます。
購入して数年経過していますので垢など汚れが溜まっています。
裏側はΩdevilleの文字。これは清掃後の写真ですね。
ムーブを取り出そうと、風防側も腕側もこじあけるための隙間がありません。困りましたね。
ここで一旦時計を放棄して情報収集です。
日本語で探しても全く見つかりません。出てくるのは他のデビルの記事ばかり。
TOOL104もこの時計特有の型番はなく、様々なデビルに書かれているのでケースの番号かもしれません。
日本語で検索をかけても販売ページばかりでロクな情報がありません。
英語で調べましょう。「omega unishell case vintage」とかなんかそんな感じ。
苦手な外国語にひいひい言いながらフォーラムを泳いでいると、一筋の光が!
記された手順は以下。
- 竜頭を引っこ抜く
- 内部に空気を入れる
- 風防が取れる
- ムーブメントを取り出す
・・・。
初見殺しが過ぎる。
知らん人絶対にこんな方法思い浮かばんでしょ。UFOキャッチャーみたいな風防つかむ器具(参考)使おうとするでしょ。
しかし先人の知恵はありがたく頂戴いたしましょう。試してみるしかなかろうもん。
いざ、尋常に... 緊張するなあ...
アチョ!
取れるような形になっているだなんて。
次は空気を入れるんでしたっけ。
ポリ袋で空気漏れを防いで、
注射器でスーっと。
本当に取れるとは...参ったぜ...。
ムーブメントを取り出せました。
美しい。小ささも相まって一層美しく感じられる。
さて再び竜頭を挿して動かしてみますと、テンプが全然まわっていません。
こういう輪に紐のついた部品です。写真内なら本体左部にあります。
本来は280°程度の往復回転をしなければならないのですが、この時計では90°さえ回りません。
送ってくれた友人曰く「左腕に着けてて左ポケットにはiPhoneがいるからその影響かと思うんだよね」
買ったのが3年くらい前なので油切れの線もありますが。
見せてもらおうか、ホーザンの消磁器の性能とやらを。 (ホーザンの製品はこれ)
先っちょだけを近づけてスイッチを押しながらゆっくり離すだけ。
何度か試してみましたが結局90°を超える回転は得られませんでした。
購入が3年前で、店頭に1年座っていたと考えれば4年経過したわけですね。となれば油がなくなってきてゼンマイの力が十分に伝わっていないかもしれません。
私がこの場でOHして油を注し直したいところです。無水アルコールとベンジンならあるので油や汚れを落とすだけなら落とせます。が、オイラーなどを持っていませんから諦めざるを得ません。
今回見たムーブはCal.620。1960年代のオメガ社製の女性用腕時計向けムーブメント。19800振動(5.5/秒)で秒針なし、2本針です。
カッパー(銅色)の素晴らしい輝きを放ちます。
いつかちゃんと触りたいです。
友人には、おとなしくちゃんとした所に整備をお願いするように勧めて返却します。もちろん垢を落として風防はかるく磨いて見やすくします。
ついでに頼んだお土産も送ってくれました。
サッカーを観にロンドンを訪れたのはもう5年前ですが、当時は結構どこにでも置いてました。一度購入してバッグに着けていたのがここ数か月のうちにどこかで外れて行方不明に。
Mind The GAPピンバッヂは近頃姿を消しているようです。Undergroundでもう言わなくなってしまったのでしょうか?
安価で身に着けやすく収集癖もご満悦のバッヂ。ちなみに写真のバッヂは公式っぽいですよ。
今後も付き合いを続けそうな彼に、ありがとう。
<追記>
別の機械になりますが、cal.625を分解しました。興味があればぜひ。
<追記ここまで>
<さらに追記>
cal.620も分解する機会がありました。興味があればぜひ。
<さらに追記ここまで>
では、またお会いしましょう。