損するあほう

時計とかタバコとかPCとか、残しておく。※個人の感想です

eBayのパーツで懐中時計を自作

かっけえぇ...

ぼくのかんがえたさいきょうのかいちゅうどけい!

 

少し前から胸のうちに秘めた願いがありました。

 

「自分だけの時計がほしい」

 

Knotのようなカスタムオーダーのできるものでも良いかなって、思ってた時期が僕にもありました。確かに、好みの駆動系やケース、フェイスの組み合わせが何万通りもあって、その中から自分にピッタリのパーツを選んで注文ボタンを押すだけ。

 

 

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Amazonにおける画像を拝借

と感じてしまった私は他の方法を考えました。せっかく道具があるなら自分で組み立てればいいんじゃないかと。方法はいろいろあるでしょう、ニコイチやSEIKO5 Modsなどなど。
その中で選んだのが「互換性のある製品を部品単位で収集して組み上げ」
なんだ、結局組み立てる作業が好きなだけか。

 

まずは今回使うものの入手場所と金額を並べましょう。

 

部品 場所 値段
ムーブメント
(ST3600) 
AliExpress (ebayも可)   4192
ケース eBay  5323
文字盤 eBay  4128
eBay  2172

これに追加して適宜送料が発生します。合計すると2万円弱
工具は精密ドライバー、ピンセット、ニッパーがあれば大丈夫。戦える。

 

注文から到着までに1ヶ月弱かかります。ご利用は計画的に。

 

手順をざっくり書くと
筒車いれる → 文字盤固定 → 針さす → ケース入れる → 巻芯を調節 → 完成!

 

では、始めましょう。
パーツが揃っているか確認します。

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ムーブメント、文字盤、ケース、3本針、そろっていますね。
真ん中のシールはロゴなんかを印刷して文字盤に貼り付けるために付属しているようです。今回は使いません。

 

ゼンマイを軽く巻いて動作を確認しましょう。

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私が使うのはST3600ムーブメント。中国のSeaGullブランドの一品。
ETAのユニタスと呼ばれる機械の完全互換(部品は非互換)で、「ETA6497」や「 ETA6498」とほとんど同じ寸法で作られています。ETAの特許が切れているので安いんだとか。

こうみると所々雑で汚れていたりしますが、ちゃんと表面加工も施されて青焼き風ネジも使われており、一見の表情は本家とも戦えそう。

 

裏側を見ます。
仮状態として入っている針を抜いて筒車を装着。

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はじめからささっていた針は何かで使えるかもしれませんから一応頂いておきましょう。

ここに文字盤を載せます。
秒針用の細い軸に注意しながらコトっと。

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乗っけたら落ちないように表に戻り、下の画像の1時半と7時半の位置にある「埋もれたネジ」で調節して文字盤を保持します。

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このネジ溝が私の持っているドライバーと合わず、更に固まっており、文字盤の固定にえらく時間を取られました。おそらくドライバーの刃を厚く加工するほうが早かった。

 

針を車にはめます。
個人的に楽だと思ったやり方は、
斜めの状態で近くに置いて片手で少しずつ持ち上げ、ちょうど乗ったと思ったらピンセットで輪の位置を押して挿入。
もちろんピンセットで傷めてはよろしくないのでポリ袋などで保護しながらです。
時針を3時ちょうどに合わせた状態で分針を0分で挿すとうまいこといけます。

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ちなみに秒針は塗装するため、Mr.カラーのシンナーに浸ってもらっています。

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機械側の準備が整いましたので巻芯を抜いてケースに納めます。
丸穴車の上に見える銀色のネジを少しずつ緩めて巻芯を抜き取ります。緩めすぎるとオシドリが迷子になります。

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初期設定の竜頭を外してケースに入れます。

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ケースが最初の画像のそれとは違うって?
これはねー、頼んでおいた金色のケースは巻芯の長さが足りないので使えませんでした!というわけです。悲しいよ。
でも追加で頼んだケースには竜頭がついていなかったので流用します。一箇所だけ金色なんて自作でしかできませんよ!言い訳じゃないお!

 

ケースに納めます。
文字盤側の蓋を外して、ムーブメントを入れます。サイズがちょうどよければ文字盤が引っかかって機械が落ちる事態はまぬかれます。

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薄汚れてるのは、使っている指サックにぶつぶつが付いているからです。

 

巻芯の長さを調整します。
以下の画像だと5mm程度の隙間があります。

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機械から抜き取り竜頭を外し、ニッパーで切りやすりで調整。
巻きあげられる範囲ぎりぎりを攻めながら間を詰めましょう。そりゃ長くてもいいけど引っかかるし折れそう。

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最後に付属の金具でムーブメントをケースに固定します。
文字盤保持用のネジの近くに穴があります。動きやすいので注意。

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固定出来たら裏蓋をカチっと閉じたらおしまい!完成です!

 

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ギョーシェ彫りを施した文字盤にスラリと伸びる黒のリーフ針。三角形の秒針には白の塗装。視認性を重視して二色のみで組み上げました。
針をセットするのには苦労しました。イライラする場面もところどころあるけれども完成して思い通りの姿になると楽しいもんですね。

 

歩度調整は全くしていません。現代で懐中時計を使う生活を送る人は数分の狂いなぞなんのその。タイムグラファーを買うお金ができるまでは無調整。機械式に正確さ求めちゃダメ、絶対。
実は固定用金具が機能せずケースの中でカタカタ動いておりました。自分用ですので恥を忍んで裏蓋裏に軽く詰め物をして押さえつけました。
チェーンはそのへんの懐中時計からかっぱらってきました。なければ作るもよし、買うもよし。

 

自分だけしかもっていない時計ってのは所有欲が満たされてたまりませんな。
同じような方法で腕時計も作れますから、来年度は腕時計に挑戦かな。ケースの表面加工なんかもしたいところ。

本当は12月中に完成する予定だったんですがケースのアレで...。

 

<!-- 追記

気になってびぶ郎で確認してみると高級時計も真っ青なグラフが浮かんできました...

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ノイズはさておき。なんと日差+2秒/日。これ4200円ってマジ...?
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 <!-- 追記その2

おかしな音がして気になっていたので分解清掃を行いました。
様子は以下でどうぞ。

中華ユニタスのOH 分解
中華ユニタスのOH 組立

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では、またお会いしましょう。