こんにちは。
この頃の腕時計で手巻機構オンリーって少ない。
そこで今回注目するのがHMT(Hindustan Machine Tools Limited)。
さくっとHMTの説明をしておきますと、
英国がインドの近代化を推し進めるために設立した会社で、後にたくさんの企業から技術提供等を受けて機械分野での成長を高めました。時計は完全自社生産でここで製造されるムーブメントは 60年代CITIZENのホーマーをもとに、というかほぼまるまま設計されています。
左がHMTのCal.020 右がCITIZENホーマー。クリソツとはまさに。
Cal.023と呼ばれるムーブは今も新たに生産されており、構造こそ昔のものですが単純で剛健な作りのおかげで現代でも十分通用する性能を有しているそうです。
まあ、クリソツもなにも、手巻きで日付も曜日も搭載していないムーブはほとんどこのデザインですよね。装飾の差こそあれ。
能書きはどうでもよくてですね、私の興味はただひとつ
「手巻き機構のみ」の腕時計。
というのも、最低限の機能でメンテナンス性の高さが「時計」としてのあるべき姿を表しているように考えるからです。
クロノグラフと呼ばれる機械のように部品数が増えると比例して摩耗する箇所が増え、故障する可能性が上がります。一方の最も簡潔である手巻きのみの3本針なら、数倍も簡単に分解掃除ができます。
機械式時計が「一生モノ」たりうるためには耐久と維持は不可欠。遠慮せずにガシガシ使ってなんぼの腕時計を実現するメーカーがHMTだと。
私の能書きもどうでもいいでしょう。まずラインナップ、Janataを見ます。
一生つかえるシンプル極まりないデザイン。画像だけでは伝わっていないヴィンテージ感。風防がプラでドーム型なのです。そりゃ60年代に伝わった技術のまま継承したなら。好き。
他のシリーズも用意されています。
淡く美しい色。それぞれ具体的なものを念頭に置いて作られた時計。コーラル・アンバー・ターコイズの穴が開いた球には何か深い意味があるんです?
日本にも正規の販売店があります。先日実物を見にお店へ行きました。お値段は2万円弱。ふむ、ORIENTの手巻き時計と同じくらいか。モナーク(amazonページへ)とかいうシリーズ。店頭で買えばアフターも多少安心できます。デザインやそのあたりの保証も込にすればナシではない価格。
でも、まともに働いていない身分が20万ペリカも持っているわけない。
これは裏技を使うしか無い。
USD $35.5! お安い!
さすがは世界のeBay。 地球のどこへ送っても送料無料。日本まで送った場合、たいていの商品が2週間とちょっと。その時間さえ我慢できるのであれば安価で手に入る。
もちろん店の保証とかないんで、調子が悪くなった際にどうするかを決めておく必要がありますね。出品者からの画像を見ていると、革ベルトがかなり安っぽく見えるので買い替える費用も考慮しないといけませんね。
しかし本体とベルト代金とを合計しても1万円を切って機械式時計を手に入れられるのならばお安いもんです。
セイコー5を素晴らしい時計と仰ぐ私にすればこのHMTも時計界のスーパーカブに名を連ねてもいいくらいにあっぱれな精神です。
探せば公式に載っている以外にもたくさん種類がありますので、ヤフオクやeBayであさってみるのもオススメ。ちょくちょくレディースの機械式も転がっているようで。
では、またお会いしましょう。