少し前に紹介したWalthamの腕時計を開いてみましょう。
中身を見てみると刻印があって、Sapphireという名前だそう。
こいつですね。
冷静にかんがえると、竜頭に対して文字盤がこの向きで収まっているのは「元懐中時計」だからなんじゃないか?
年明けに作った懐中時計もそうでした。6時位置にスモールセコンドを持つし、あるいは他の懐中時計は9時位置にもあります。だとするとこの時計は小さな懐中時計を腕時計として再利用したもんだ。とまあ、推測の域を出ません。真面目に調べていませんけれど、おそらく前回の予想のが近いんでしょうね。腕の内側に装着して見たときに見やすいようにと。
この形状は後々考えてみればよいでしょう。
進めます。
これは........ 美しい.......
チラネジ付きテンプ、ペラルージュ仕上げの地盤、サンバースト仕上げの角穴丸穴。
力強いエングレービング。下はS/Nかな?
やはり昔の時計は手が込んでいますねえ。安くはなかったでしょう。見えない内側まで手を施すのは中級時計からってイメージです。中級の値段?今だと10万からじゃないスかね。知りません。
Walthamは時計生産のオートメーションに力を注いでいましたから手間暇かけられた装飾かどうかは不明。キレイならいいよ。
裏蓋側から見てもオシドリを外すネジが見当たりません。
仕方なくベゼルと風防を外し、やはり懐中時計のように落としてみると...
巻芯ごと竜頭が取り残されましたが???
心配になって検索をかけるとこれで正解のようです。ケースから出してしまうと巻芯周りの操作ができなくなる仕様で、専用の棒を使って扱うみたい。もちろん持ってない私は困惑。
気にせず進むしかあるめえよ。
ケースの外にくればあとは他のムーブと同じ。テンプを外して安寧を得ます。よく見るテンワは輪っか、こいつは切り欠きが。
レアかな?「ギョームテンプ(Guillaume balance)」と呼ぶそうです。
古の技術について | Mechanical Watches~機械式時計の世界~ロレックス、オメガ、IWC、エポス、オリス - 楽天ブログ
こちらに書かれていますので詳しく知りたい方はどうぞ。「こんなのあるんだ、へぇ」くらいに知っておくといいかも。
輪列側にボタン電池おさえのようなものが。
開いてみると
この平面でオシドリとカンヌキを制御してバネ代わりの輪っか設置するの、感覚スゲえ。せめてわずかにでも地盤を掘って安定させようとはならなかったのでしょうか?なってたらこの形で落ち着かないよなぁ。
飛んでいかないよう慎重に慎重に。
日の裏側は日の裏車だけですね。
文字盤がフラフラしないようにお盆のように盛り上がりが。
巻芯がわりのバズーカはキレイに組み込まれているようですが、両側にあるネジを除いて押してやればコロリと落ちました。
大まかな分解は以上でおしまいです。ケースに入れっぱなしで操作できるオシドリはありませんでしたね。
長くなってしまうので組み立て等は続編ということで。
Waltham Sapphire 練習組立 - 損するあほう
では、またお会いしましょう。