ありがたく頂戴したレディースをさわっていたんですよ...。
ラドーの時計です。
見ただけで恐ろしい点がありますよねえ。どこだかわかります?
コ↑コ↓!
ヒゲゼンマイがネジ穴側にびろり~んと広がってます。
当初は「まさか自分の外し方がビューティフルじゃなかったせいで曲げてしまったか...」と落胆と焦燥が入り混じった心になりましたが、1枚目の写真を見てくださいよ。
ぼかぁ悪くない。ケースから取り出した時点でヒゲ持ちからのカーブがおかしい!あんなに引き出されたヒゲの外端があるわけないんだ。
嘆いてもどうにもならない。そう、矢印キーを押さないとマリオが動かないのと同じだ。自分の手を動かして進もう。
まずはヒゲ持ちのネジをゆるめて、受けからテンプ一式を外します。ヒゲ持ちネジをさわるときは押さずにドライバーを空中で回すこと。
何も考えずに通常通りドライバーあてがってると滑ってひげを刺すのが想像に易いです。自殺行為は避けるべし。
くるくると動かないようにロディコへ固定。これで扱いやすくなった。
ここで大切なのが「どこを起点に歪みが発生しているかを見抜く」力。偉そうに言ってますけど、私も数回しかさわったことない。怖いもん。
しかし逃げてばかりでは技術は向上しませんからね。今回はさわっちゃいましょう。直さないと時計もまともに動かんし。
観察するとヒゲ持ちから外端カーブの最終地点のあたりがいびつ。逆に内側の渦巻き部分は2周目が引っ付いてしまっている以外は問題なさそう。ならばあの膨らんだ箇所をどうにかすればいいんだな。
うおおおおお!!ピントが合わぬ!
観察も入れると30分くらいかかってやっとこれだけ。外端の曲線はおおむねヨシな雰囲気。ピンセットでちょっとずつちょっとずつつまんで修正して、様子見て、修正して...。とりあえずさっきのひどいのと比べてみたらわかる。
顕微鏡使わずによくやったわ、こんなん。もし次があるならもうちょっと倍率のいいキズミか10倍レンズつけた双眼顕微鏡を使いたい。
あとはテンプ受に戻して確認。
天才か?水平も崩れてないし。
ほぼ完ぺきに戻ったみたいなのであとは機械を綺麗にするだけですね。パパっと。
「これ動いてるけどあげるよ」なんて甘い言葉にのせられてホイホイ頂いた時計がこんなお粗末な状態のヒゲゼンマイだったなんて。ホントありがとうございます、いい練習になりましたわ。
目視で振り角280°くらいあるみたい。我ながら悪くない出来栄えなんじゃなかろうか。
ベルトがきつくなければ自分でも着けようかと思ったけども、ケースと一体になっててはずせないからこれはパス。
<追記>
ヒゲゼンマイ調整の第2弾を投稿しました。
<追記ここまで>
では、またお会いしましょう。