こんばんは。
古いCITIZENの時計を手に入れて蓋を開けるとあら不思議、見慣れた機械が。
格安時計マニアの皆様にはおなじみ、82系ですね。MIYOTAと書いてはいないものの同じものだと考えて問題ないでしょう。
購入したのがインドからの出品でしたので、日本語表記はありません。曜日が英語とアラビアーンな感じ。日本国内では珍しいかな。
象牙色のスペーサーは外さなくても作業できました。グッと押して外せるでしょうが、危険もありそうなのでパス。
ではカレンダー側から始めましょう。
まずはCリングと曜板を外して。
ここでは日板おさえだけを外すのが良いでしょう。バネはないので引き上げるだけ。
さて、ここからが大変。何がというとネジの種類が多い。ちゃんと対応した部品と一緒に保管しておかないとあとあと大変なことになりますね。
ちなみに左のほうでかみ合っているバネ部品ふたつはどうやらカレンダーの早送りに使うようです。洗浄後もかなりぎこちなかったので早送りの際はパチッ、パチッと急がず焦らずで。
切り替えまわりは上から注油できそうだから残しておきたいのですが、
この地板の茶色いのが錆びだったら困るなあ。さび落としにつけなきゃ。
部品の位置とネジの組み合わせ、バネの効き方、覚えるところが多いカレンダー側でした。置いてるだけとネジだらけ、どちらがいいかと言われたら難しいんですけどね。
さて輪列側に向かいましょう。
親の顔より見たMIYOTAの顔みたいなもんです。
ヒゲゼンマイの状態もとてもよろしい。水平も取れてるし中心もズレてない。
アンクルの爪は油がこぼれてましたね。使えたらどうでもいいけど。
あと写真ではわかってもらえないかもしれませんが、入爪の停止量が少ない。これも使えるから別にいいんだけど。
コハゼはこの銀色の平たいやつ。
ピンセットの先などでずらしてゼンマイを解放。最初はその横のバネだけ動かせばいいと思っていた自分がいました。だって7Sがバネだけのコハゼだもん!
総受けを外すとこんな感じ。
片巻きあげにすると切り替え車が1つで済むのですっきりしますね。部品が少ないってのは故障箇所が減るのにもいい。
うけの裏側は秒カナおさえがある。
こいつのせいで組み上げがちょっとだけ手間。ネジはめても斜めになる。
左が3番、右が4番。まあ噛み合うようにしかハマらない。
石も汚れてない。
油切れでずっと動かしたり10年単位でほったらかしにされた時計は穿ってたりする。
たまには手入れしながら使われてたんだな。愛されてたんだなこいつ。知らんけど。
輪列側は悩むこともなかったな。
開発されたのが70年代でしたっけ。当時の廉価帯でデイデイトと自動巻きと薄型を頑張った機械なのかなと。
自分ではMIYOTAの8215を使ったことが無いので何ともアレですけども、こんだけぼろくてもフル巻で270°近く振りが出てますし、そこそこ信頼できるんだな。
組立時のコツは特になし。場所を間違えないように。
参考程度にcal.8205の組立をしたときのリンク置いときますね。
では、またお会いしましょう。