ヒゲゼンマイをさわりましょう。緊張するぞ。
前回のヒゲゼンマイ調整練習はRADOでした。
今回手に入れたのはセイコーファイブのジャンク。
見るとヒゲゼンマイがお亡くなりに...。
べっこり曲がっていますね。内側に入り込んでいる。
7Sのヒゲゼンマイなんてジェネリック品で買えば500円もかからない品で、修正する時間をかけるほうが高価です。
だがしかし、直すのが趣味の私からしますとせっかくなのでこれも練習に使いたい。
今回の目標は150°以上の振り角を平姿勢で記録すればオッケー。虫の息のヒゲゼンマイですからね。
ではまずテンプをブリッジから外す作業。
A型ムーブなのになぜかエタクロン方式のアオリ調整がついているようです。
ヒゲ持ちの太鼓をこじりながら外側へ押し出すだけですね。緩急針のアオリは一番緩いところまでひねります。ちゃんと見ながらね。
テンプだけになったら患部を確認。
どないなっとんねん。
4か所。正直希望がかなり薄い。
しかしこれも練習。残念な状態でジャンクを拾う回数もゼロではない。諦めずに挑戦しましょうぞ。
大まかに直してみてもまだグネグネ。負けないぞ。
かなり苦労したんだ。これでも1時間以上は格闘した。
実はまだ問題が残っていて、ヒゲ持ちの根っこの部分がまだ。でも装着したら割とまっすぐ回転するようになった。
最後はこんな感じ。
これを受けに戻してゼンマイをフル巻き上げにして、weishi no.1900に乗せました。
振り角が、平2姿勢178~193°、縦4姿勢153~160°。想像の数倍改善。
ヒゲゼンマイは息を吹き返しました。姿勢差については絶望的で-60~+120秒/日。片重り修正とアオリ調整しないと実用はダメですね。
完成テンプ一式をとりあえず数百円で注文しておきました。
今回使った7S26Aはジャンク状態で油の状態も何とも言えないので、練習がてらささっとオーバーホールすればもうちょっと振りも出るかも?と思って後日分解清掃したら240°以上出ました。本当にありがとうございました。
機械式時計のヒゲゼンマイ調整は古い時計を触る以上必須ですね。精進を続けましょう。
では、またお会いしましょう。