ゼンマイを巻き上げられない状態で折り返し地点に立ったcal.2369。
分解してバラバラのままでおしまいともいきません。形にしてやりましょう。
輪列で早速難関が訪れる。
キワにあってこんな小さいホゾ穴ってありかよ。この機械で一番難しかった部分。
入ってしまえば抜けずに座ります。見掛け倒しか。
3番車の裏側は恐ろしい箇所に注油。
うーむ、設計上のギリギリを責めすぎたんでしょうね。ここまで端っこだと石を圧入するわけにもいかないと推測します。一応ブッシュみたいなのを使っているのが健気。
スライド丸穴座を忘れずに受けにつけたら角穴までつけます。
各歯車の縦アガキも残っていて、ゼンマイも千切れていない。
ザラもスルスルと回せます。欠けた歯の部分でパワーが0に戻るのでこれ以上は動きませんがね。
アンクルは調整なしでとりあえず装着して、テンプを乗せてネジ経由でゼンマイを巻くと、
振っていますね。テンワのうでがブレているでしょう。こうも動くというのに非常にもったいない次第。
受けの石だって穿っていない。綺麗な面が残っています。
実にもったいないモッタイナイ。材料としても貴重。インカブロックの替え持ってないんですよ。
無理やり巻いて巻いてタイムグラファーに乗せる。
あ...(察し。
ジャンパーまでは簡単ですね!入るところにしか入りません!
日送り車も健康。
それもそのはず。このETA cal.2369では早送り機能が存在せず、間違えた操作で壊す心配がない。ジャンパーも日板にひっかかる部分が丸型のおかげで強く抵抗しないし。
SEIKOなどと違ってジャンパーは最後でいいと思われ。
先に押さえを軽く止めて、外側からゆっくり持ってこれば簡単にかけられました。この技術を他のキャリバーで活かす機会が訪れるかどうか...。
姿かたちだけは元に戻った状態でガラ箱におさめましょう。
きれいな顔してるだろ。ウソみたいだろ。死んでるんだぜ。これで。
フルーテットベゼルにごつい針、自動巻きと操作しやすいリュウズ。
いやー動いてほしいよなあ。女持ち自動巻きって今じゃなかなかないもんなあ。
いつか使える丸穴車が転がり込んだらぜひ蘇生をば。
では、またお会いしましょう。