実は4月に注文しておいたPT5000の本体が手元に届きました。
心配していた点も大丈夫そう。
2月に公開した記事(PT5000を使ってみたいけども)で考えたことは杞憂のようです。
表面処理
商品写真はあてにしませんでした。百聞は一見に如かず。
ところが今回は大当たり(個人的に)。
地板は全て梨地仕上げで艶消し。回転錘はヘアラインで一方向と放射状。メリハリがあって素晴らしい。
公式の写真だと
カレンダー側にヘアライン、表輪列側がペルラージュ、回転錘はヘアライン。
うーん、うるさい気がする。どうせカレンダー側は文字盤で隠れて見えなくなる。一方で裏スケだった場合に全部が鱗模様。ギラギラすぎ?
コートドジュネーブ使用の回転錘が好きです。波状模様。
回転錘にこれがついていると角度が変わるたびにちらちらとちょうどいい輝きを見せてくれるんですが...。
まあ表面処理は個人の感性によるところが大きいのであまり言っても仕方ないでしょう。気になるならジェネリック部品と交換。
ありがたや、耐震装置
PT5000にはNovodiacと呼ばれる耐震が採用されています。Incablocとは違います。
3点で支える方式のバネを取り付ける必要があり、従来はこのための切り欠きが3つありました。扱うために工具をそろえる、もしくは鍛錬により専用工具なしでも回せるようになる、ふたつにひとつを選ぶのが前提でした。
しかしこの機械は少し様子が違います。
見る限り切り欠きがひとつ。
何を意味するかというと、「簡単」なのです。着脱が。
一か所から順に差し込んで回すだけのショックバネはダイアショックやパラショックと何ら変わらず、折る心配も少なくなります(代わりに跳ねる)。
つまるところNovodiacのショックバネを採用しただけで国産耐震装置と差異がなく、扱いやすいのです。
あと通販で部品単位の入手が可能。
刻印がある!
現在、チャイナ2824が様々なメーカーから出ています。例えばSea-gull, Liaoning, Hangzhou... 詳しく調べていませんから全てを知っているか不明。しかしどいつもこいつも生産者のマークがどこにもない。「僕はST2130だよ!」って言ってもらわないと結局売れないんじゃないかと思ってしまうんですが。
ところがPT5000はちゃんと刻印があります!
やっと信じてもいいだろうと思える機種に出会いました。テンプの下を見てすぐ「あ、頑張ればクロノメーター級の時計だ!」と判断できて、ある種の安心が生まれます。
個人単位で時計を組み立てて売りたい人には適したムーブメントにもなりそう。
出自のわからない機械でも動くのであれば合格と思っている私でも、それはあくまでも自分で使うときの場合、もしくは理解してもらったうえでの販売。にっちな人向けですね。
ところがいわゆる”普通の人”が商品を選ぶときに見るポイントは安さ、あるいは信頼できるかどうか。同じ1万円の時計で中国製と日本国内製って書かれていればほとんどの日本人が自国の商品を選ぶでしょう(国選びに他意はありません)。
マイクロブランドが採用し始めてからが本領発揮になるような気がするんですけど。SellitaやSoprodに追いつけますかね。
楽しみだ
私のような貧乏でも高振動で精度の良い機械式時計を手に入れられるのはありがたいことです。10,000円未満でのコスパは決して悪くない。
まずは部品を集めて何年か様子を見るがいいでしょう。
本当のことを言えばPT5100っていう手巻きのほうが欲しかった。でも今回はこれでヨシ。そもそもETA2801用のケースを新品で手に入れるほうが難易度高いでしょ。
次回は歩度を測定しましょうか。私も気になります。
では、またお会いしましょう。