手元にSEIKO DOLCEがありまして、これに積まれたクオーツは4J40。いつ頃作られたのかはっきりしません。でも綺麗だしオッケィ。
こいつの電池はSR516SWで、約2年の寿命。
ところがどっこい、消費電流が3.8μA。お仲間の4J41の定格が0.6μA。
つまり6倍の電池を消耗している計算になります。120日しか駆動できない年差クオーツに誰が魅力を感じますかね。
これはどげんとせんといけん。
まず状態を整理します。
- パルスが2度発生している
- 周期的に正常・異常なパルスが起こる
- 消費電流が大きい
- 運針は遅れずに行われる
むむむ~。ここだけ見るとよくわかりませんな。油が古くなったかな。なにかひっかかってるかな。ともかく輪列までたどり着きたい。でもオーバーホールまではめんどくさい。
セイコーなのにここまで石を使っているとは、珍し珍し。サイズ的には完全に女持ち。見かけはいいけど悪く言えば流用による低予算化ですからね。
4J40で検索かけるとレディースばっかりヒットします。私は女モノを身に着けようとしているのか。
とりあえず針外しからいきましょうかねぇ。
ん?これはもしや。
残念。地を這う針は原因ではありませんでした。続けます。
ちなみに針が低すぎたせいで針抜きを潜り込ませるのに苦労して、時針がちょっとだけ変形しました。悔しい。
圧入の文字盤をはずすと、ツツカナしか見えませんね。
カサ車は除けています。
二針のムーブメントですから秒針がつき抜けません。カレンダーもなく切替機構もなく、かなりすっきりした裏側。クオーツらしさがあります。
輪列受けには上から見えないネジがありました。
コイル際すれすれのネジは心臓に悪い。しっかりドライバーを整形して臨みます。
回路ユニットを外さなくても3番車まで外せます。
輪列受けと歯車をベンジンで泳がせたらおしまいです。
消費電流が0.65μAに戻って異常なパルスも消滅しました。
しかし立ち止まって考えれば、針を外す必要はなかったのでは?
秒針車(4番車)が針に直結せずに回っているわけです。前回のE030のときとは違います。
±10秒の年差クオーツの実力を発揮できる状況を復元できました。電池も無理やりSR521SWを入れて長期戦へ持ち込むつもりです。
では、またお会いしましょう。