抱き合わせで手に入れたジャンククオーツがなんとなんと、トリマコンデンサ付きの相当古いものでした。
どうせ使えないだろうと思って消費電流を測定すると3.4μA。やはり無理だろうか。
やめることは、いちばん簡単なこと、楽なことだ。挑戦するのが政府の役割だ。
ぱっと見たら普通のクオーツ。面白味もなにもない。私は好きですが。
裏返すとタイトルを回収できる。どうぞ。
言いたいことはわかったんじゃないかと。店頭で電池交換をしている人はわかってくれるかもしれません。
でっかい文字盤に対して小さい機械。そして裏蓋もせまい。
そうです。ムーブメントが裏から取り出せない構造。
模式的にこういう感じです。んでもってガラスががっちりハマっている。いわゆる嵌め殺し的な形。
でもさすがセイコー。脱出口が用意されているんです。
ベゼルを外してこちら側から、ころりと機械を摘出。
DW表記の時計ではこれができません。ですから、針が外れたりムーブメントに何か不調が起きたら即終了。ブランドへ送っての修理か捨てられる運命です。8割は捨てられるんでしょうね。
実は上記ブランド以外でもTRIWxやその他の腕時計でも模式図のようなクソ構成が採用されており、時計業界としては悩みであります。
さて、セイコーをかまってあげましょう。
偏心変形ネジを回して文字盤を外したら不気味な裏側とご対面。
ドでかい裏押さえやどこかで見たことあるような長いバネが伸びています。
駆動用の歯車を洗うのが目的の分解です。触らぬ神にたたりなし。
秒カナおさえみたいなものがありますな。ホゾが出ている様子はナシ。
キャリバーナンバーがここに書かれているのも今ではあまり見ませんかね。回路を押させる板のほうに刻印される場合が多い。
配置の記録のために毎回写真に残しておく輪列の写真。
秒針車の形に特徴を見出します。通常だと他と同じく扁平歯車の一方、今日のcal.2621は分厚い。最後の写真でわかるかと思われます。
あとローターがぷっくりしていてカワイイ。全部これなら和むのに。
4つの歯車を洗浄したら今回はおしまい。
受け石に注油してあげると消費電流が1.1μAで定格内におさまりました。まだまだ現役で使えそうな機械に元通りです。ガワは・・・。
クオーツの簡易オーバーホールも少しずつ慣れてきました。
全ての機械がcal.2621のように歯車だけを外せるわけではありません。ですが、消費電流が高いのであれば、可否を判断してせめて歯車の汚れを落とすのは悪くない選択肢です。修理としてお金をいただくこともできる技術です。
ま、クオーツはなかなか2P打ちませんがね。
では、またお会いしましょう。