さて、回転錘がひっかかっていただけの不動(笑)セイコーファイブの分解をすすめましょう。
具体的にどんな感じなのか、説明しながら書いてみます。
リュウズの引き出し、回転が重たかったのでまずパッキンの状態確認。
乾いています。先にシリコングリスを塗布してもいいですし、ケース側に塗り込んでもいいでしょうか。
ファイブってプラスチックスペーサーが固くてひっくり返してもすぐ出てきません。
引き出すにもつかみどころがあまりないもんですから私は巻芯の通る位置にピンセットを突っ込んでてこの原理で持ち上げます。若干の強引さがあるものの簡単だからやめられない。
もっと”正しい”やり方があるでしょうけども、結局どこかに力をかけるわけですから変わりないでしょう。
針外しも文字盤外しも、このブログを読んでくれている諸姉諸兄には赤子の手をひねるようなもんですね。
さて曜板をおさえるCリング。これを外さないことには何も進めません。
針外しの要領で外せます。隙間に潜り込ませてこじるだけ。ただし、飛翔能力を秘めていますので何かで覆ってから臨みましょう。
7S26Aで一番の問題はここ。
おわかりいただけただろうか。
ここだけ極小のプラスネジが仕込まれているのです。
まあ大問題で、明工舎の極細マイナスネジも合わない形であり、専用ドライバーが用意される事態となっております。「SEIKO SE-S-921」を使わないと回せません。
バカらしい。このためだけに500円も使ってられるかよ!
てなわけで作りました。
マイナスドライバーは先端がまっすぐなのに対して、プラスドライバーは台形のような形です。さすがに+は作れませんから、半分の歯数で再現。これで回せます。
ドライバーはジャンクでもたくさんあったほうがいいですよ。こういう時に気兼ねなく削れます。上記画像はジャンクでもない普段使いのやつです。
プラスのほかに3本のマイナスで留められているのを考慮すれば、極小ネジを戻さなくてもいいのではないかと。私はなくても大丈夫と思っています。
プラスネジを突破したら日板。黒い歯車がおさえ板に乗っていないことを確認してから外しましょう。下記画像は乗っていますね。
カレンダージャンパーは変形しやすいのでカレンダー板をずらして解除するのが安全かもしれません。
また、プラ部品はつかむところが少ないうえに変形しやすく扱いが大変です。持ち上げるだけならロディコにくっつけて外すのも一つの手でしょう。
最後に残るのはツツカナ。引き抜かねば表側で歯車が外せません。
どうにか真上に引き抜かねば中を通る歯車を取り込んだまま折れます。これが意外と苦手。
そこでバネタイプの針抜きを加工して使っています。
ツツカナの出っ張りに先端がかからない場合は削りなおします。男物の時計はだいたい抜けます。固着して難しそうな場合はAO-2などを吸い込ませて油漬けにしてから試みます。
これで裏側の分解は終了。
休憩をはさんで表側の分解にうつります。
その1 不動...?
その3 表側分解
その4 アンクルまで組立
その5 表側完成!
その6 文字盤側も完成!
では、またお会いしましょう。