損するあほう

時計とかタバコとかPCとか、残しておく。※個人の感想です

7S26でゆっくりしていってね その4 アンクルまで組立

分解が終わったらベンジンで汚れを除去します。

 

洗浄が終わったら? もちろん組み立てて元に戻しますね。

 

ネットを探せばすぐに出てくるテクニカルマニュアルなんかを見れば注油箇所は考えなくても済みます。

長々と私の駄文を読むくらいならマニュアルだけ見せろというお方はこちらへ。

 

ま、分解した手順をほぼ逆にたどればいいわけで。注油を都度はさむだけ。

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切替機構の部品はたった5つ。バネが効くように。

注油個所は摺動部。オシドリを基準に考えます。

オシドリの軸(地板側)、先端(カンヌキのミゾを押す部分)、ピン(おさえのΣで制御される箇所)、表面(おさえの爪の部分)。
巻芯全体にべったりと。

あとは好きな箇所に油つけといてください。こぼれなきゃ機能には問題ありません。

 

中心の二番車も油をさします。上下の穴石と接する部分です。

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教わった話だとグリスを使いますが、SEIKOから出されているマニュアルだとここにはAO-3オイルをさすようです。メービスAでも可。

続いて伝達用の歯車をぽいぽいと通します。通す前に中央の4番車(秒針車)の一部に注油。

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上記画像で軸の途中に”くびれ”がありますね。ここが注油ポイントです。量が多いと歯車を通すときに他の車の歯についてしまい伝達される力が減衰します。

何も考えずに歯車をとって戻すだけだったら気づかんでしょ。この”くびれ”に油溜めようと思ったのすごいな。

 

次は輪列受けをかけてあげないと歯車たちが寒そうですね。

でもこの輪列受けも先に細工をしなければなりません。

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前回ふれたように、輪列受けの耐震装置は状態が良ければ分解をしないのが吉。
なら注油はどうするのか?

 

裏側から油を吸わせます。

 

説明しよう!

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画像上方の石に油をドバっと乗せてあるのがわかるだろうか。
盛ったら細いオイラーや針なんかで穴をぷすっとつつく。

すると

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油がすぅっと入っていくのじゃ。ピントが合っていないのは許してくれ。

 

これを2つの耐震石で行う。量の確認は表から行ってくれ。

あと中心の金色のところにも油をさしてやってくれ。

 

マジックレバーは回転錘からモロに力をかけられるので重たいグリス。穴石の方にも漏れるくらいたっぷりつけちゃう。

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腕の向きや場所、高さが確保できたら止め輪を押し入れます。下図の白い線のようにピンセットを当ててぐっと。

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上の線は軸を、下の線は止め輪の背をおさえています。

ほんのちょっとだけ斜めにピンセットを持つことになりますから力をかけた瞬間に外れてバチッと傷をつけたり飛ばしてしまうかもしれません。慎重に。

 

長い時間をかけた輪列受けが、やっと元いた場所へ帰ることができました。

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横から見て地板と平行になっていなければどこかがひっかかっています。

傷をつけないように位置を調整しつつすべてがうまく行ったら、おなじみのザラ回しで歯車が軽快に回るか確認。ネジを仮締めしてザラ回し。そして本締め。

 

ザラ回しが問題ないならアンクルを組み込みましょう。軸が細いので小さな力で。

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ぱたっと受けが入れば仮締め・確認・本締め。

角穴車をとりつけて、ちょっとだけゼンマイを巻きます。アンクルの剣先を左右に倒してゼンマイの力でパッパッと跳ねるように左右に動くのを確認。

 

これで一旦休みましょうか。次回はもっと小さい箇所の注油があって疲れますよ。

 

その1 不動...?
その2 裏側分解
その3 表側分解 
その5 表側完成!
その6 文字盤側も完成!

 

では、またお会いしましょう。