ジャンクの中に面白いものが混じっていました。
BAUM & MERCIER。かたかなだとボームアンドメルシエ。
文字盤と機械だけ。巻芯も分針も失ってしまって悲しさが漂っています。
巻芯が折れて行方不明となっていますが、パチパチと反応は帰ってきます。ただ短くなっただけだね。
はじめてみる雰囲気ですな。これは楽しみ。
腕時計に詳しい人であれば、わかるはず。
調べたところによるとこの機械は BUREN 1282 。
今となっては消えてしまっているようですが、昔はマイクロローターの機械に力を入れて、自社製作をしていたとのこと。最終スウォッチに吸収されたのかな。
さすがに不便なので無理やりとはいえ延長部品つけときましょう。
買っておいてよかった。買ったタイミングでは使わなかったんだがな。
おさえ板の裏にバネが埋まっています。
カレンダージャンパーのバネなので、分解経験者ならば飛ばすことはないでしょう。結構強く埋まってますから、普通に持ち上げても大丈夫でしょうがね。
配置自体はよくあるかな。
でも、ツツカナは押し込んでない。
カサ車とツツカナはゆるくスポッとかぶさっているだけ。Y字の金具が間に入ってツツカナが外れないようになっています。
このおさえ板は難しいとこで、駆動用の歯車に必要。
ルビーが一個使われているところは2番車のホゾが突っ込んでくるので組立の順番がよくわからんのです。渦巻きの右上にある小さい歯車がそう。
それ以外は特記事項無し。形を見間違えないように。
さて表側もちょっとだけ見ておきましょうか。
マイクロローターによる巻上方法が初めて見た機構。
拡大写真がこちら。おわかりいただけただろうか、左右で歯車がズレてるのが。
左の状態は、上側の歯車が左回りに。右側の歯車は空転。
右の状態は、右側の歯車が右回りに、それが上側の歯車に当たって上側の歯車は左回りに。
他サイトでわかりやすく画像を作ってくれている方がいるのでお借りします。
どうやって巻き上げているかなぞ使う人からすると大差ないかもしれませんが、メンテナンスする我々からすると容易か否かや摩耗具合に影響しますので大切なことです。
まあ経験が浅いのでどこがダメになりやすいかとかまだ分かりません。
薄型化や、独自性のために配置を変更するためには、こうした新たな(かなり古い機械だけど)動きをつけないといけないのは現代もおそらく同じでしょう。
まだまだ知らない機械がたくさんあって楽しい世界ですねぇ。
次回は巻き上げまわりを詳しく見ます。
長々と続きますので気になる記事だけ見ていってください。
B&M 表側
B&M ケースを自作?
B&M 見積もりと発注
B&M 未だ届かず
B&M ケースのレビュー
では、またお会いしましょう。