これもよかったら診てくれよ、と送られてきた時計が仰々しく彫ったり削ったりしたムーブメントを積んでいます。
もしかしてこれはアヤシイ中華。
もしかしなくてもアヤシイ中華ですね。
わざとらしくあちこちに雲のような柄が彫られています。全身に彫られててもはやヤかと思ってしまう。この時計は入浴禁止ですねきっと。
カレンダーが搭載されていませんから文字盤側はシンプル。
しかしテンプがこちら側からしかアクセスできません。文字盤側に飛び出したデザインになります。
何度もひっくり返して作業する必要があるため、正直メンドクサイ。
お察しのとおりですけどテンプもギザギザ。
一応両持ち。偏心が見られます。アオリ調整はなし。低コスト。
文字盤側の歯車。
ツツカナではなく摩擦車。折る心配が少なくてちょっと助かる。
ひっくり返って自動巻きを外します。
マジックレバーが伸びているのがわかります。これを外さんことにはゼンマイもほどけない。
直接レバーを回す方式。セイコーのcal.6309がこれに近い。
若干形が違うけど、レバー部の部品は互換性がありそう。
さて前半部分が終わったのでちょっと休憩とします。
ここまでの所感は「汚い」。この一言に尽きます。
部品の仕上げもさることながら、それぞれの表面に指のあぶらやその他謎の汚れが驚くほど多い。ケースがほぼ新品であることから、中身はまだオーバーホールを経たことが無いはず。だのにあちこち白くなってしまっている。ありえない。
記念品とまで書かれた商品に小汚い機械を積むとはプライドが無いな。無いのは予算かな。
後半へ続く。
では、またお会いしましょう。