損するあほう

野良の時計修理技能士がいろんな時計を開いていくブログ。

SEIKO 5 with caliber 6309 その3

こんばんは。この記事は夜に書かれているのでこんばんは。

 

古いセイコーファイブの分解を進めていきます。

 

見た目は現代のORIENT 46系に近いものを感じますね。マジックレバーの位置が角穴車をはさんだ逆側にあるのが違いです。

取り外し方は簡単で、モジュールごとぱかっと外れます。3つのネジを回して、自動巻き機構を持ち上げるだけ。角穴車のネジも間違えて外しそうになるのは私の中であるあるです。

 

裏側はまさかのプラスチック。気をつけて持ち上げましょう。ちぎれたら戻すの大変ですから。

ここではマジックレバーの爪の向きを覚えておきます。現代のセイコーファイブも6309Aも同じです。写真を撮るでもメモを取るでもなんでもいいけど、オリジナルの爪の状態を覚えておかないと大変です。

 

テンプ一式を外してヒゲゼンマイの状態を確認します。裏返すときはヒゲゼンマイとテンワがびよんびよんしないように気をつけましょう。絡まったり変形したりする原因になります。

今回は結構偏っています。右寄りの姿勢ですね。これを直すのにはちょっとコツが必要になりますが、説明すると短くないため割愛します。

調節をしない場合にどうなるかというと、振り角が落ちます。振りが悪くなると姿勢差が出やすくなる傾向がありますね。直せないならそのままでもいいですが、直せるなら直しましょう。

 

次は輪列部分です。ここは言及するほどのことは無いでしょう。

強いて言えば穴石がなくメタルブッシュが使われているところでしょうか。
全体で17石しかないですからこういうところが省かれているのですね。摩擦が大きくなりそうですから、よりこまめな注油が求められそうです。

 

ゼンマイを解いてアンクルを外したら、輪列受けを外します。6309Aのゼンマイの解放の仕方は7S26と同じですので、過去の記事を参照してください。(此度は写真を取り忘れました)

歯車の形状が特徴的だから覚えやすいですね。

香箱から黒い物体が染み出してきているのが不気味です。これはモリブデン系のグリスが古くなって隙間から出てきてしまったもののようです。ゼンマイを取り出したら洗浄して、もう一度グリスを塗布しましょう。

 

道具を持っていない私は手で主ゼンマイを扱っています。本来はゼンマイ巻上げ機のようなものを使うのが良いと思います。が、スチールの使われているバージョンは1万円近くするので私は手が出せません...。こんなお金にならない時計ばっかり触っているのではいつまで立っても無理ですね。とほほ。

 

気を取り直して歯車たちをすべて取り出したらブラシでガシガシと汚れを落とします。
Elmaみたいなでっかい機械で洗うなら軽く落とすだけでいいのかもしれませんけども、私は超音波洗浄機しか持ってませんから、ブラシは大切な工程です。

ここだけではなく歯車たちも優しくブラシでシュシュッと払ってやるといい(はず)。アンクル爪石の衝撃面も汚れをちゃんと落とします。ココジュウヨウ、タブン。

 

乾いたグリスの跡も超音波洗浄では落ちません。キレイが好きな人ならちゃんとブラシをあてましょう。

 

私の中で最後は切替えの部品。このバネ一体型カンヌキはもう最高ですね。大好きだこのカンヌキ。一緒に散歩したいくらい好き。

冗談はさておき、ここは摺動部。その名のごとく、動いて摺れる場所。もうわかりますね。

グリスを塗る場所です。

リュウズを介した操作は時計の中でも大きな力がかかるもの。ですから重い油で対応しようというわけですね。

 

軸となって回る箇所や、オシドリとカンヌキがぶつかるところなんかは注油必須です。

模範は6309Aの資料(my retro watches)などを見れば良いかと思われます。メーカーとして欲している箇所が書かれています。

 

 

以上でおしまいです。とても分解/組立がしやすい機械で好感が持てました。また触りたいです。

その1(外装)

その2(文字盤側)

 

ちょっと読みづらかったかな?いつもより文字が増えて苦手意識を持たれたかもしれませんが、時々はちょっとだけ違うやり方でも許されますよね。

 

では、またお会いしましょう。

当ブログではAliexpressおよびAmazon.co.jpのアフィリエイトリンクを使用しています。
記事内のリンクには、これらのECサイトへのアフィリエイトリンクが含まれている場合があります。
また、Google Analyticsを利用しています。