V348なる機械が入っているALBAを買ってみました。これがSEIKO 7N43によく似ているなあと前々から思っていました。
そこで、ちょっとした実験としてこれらがどこまで交換可能なのか調べましょう。
今回のALBAは4時位置リュウズで特殊なため、時計としては復活させられませんでした。ですがスワップするだけなら大丈夫そうだとわかっただけでも収穫ですね。
V348 の情報
あまり見つけられませんでした。ただ、SEIKO 5Y85 および VX22 が関係のありそうな形をしています。(下の画像は5Y85のテクニカルから)

- 電池: SR920SW (5年)
- 巻芯: 354530
- 定格電流: 1.2μA
- コイル抵抗: 3.0~3.4 kΩ
確かなことはこのくらいしか挙げられません。申し訳ない。
ネットで調べて出てくる情報は少なく、出てくるのは7N43Aが V343, V348, V743, Y143 なんかと交換できると書かれた商品ページばかり。
流通量が満足にないようで、機械だけの販売は値が張ります。類似した時計から部品取りするしかないでしょう。
7N43, VX43 と比べる
左がV348、右がVX43(7N43)。 四角い黒プラスチックの地板である点は同じようですがその他はかなり違って見えますね。

ご覧の通り、コイルやネジの位置がVX43と大きく異なります。それに伴いあらゆる部品が別の形状であることに疑いがなくなります。
よくダメになるであろうコイルは配線の向きが違ううえに抵抗値が0.6kΩほど違います。回路ももちろん載せ替えられません。
電池は、位置が違うものの、SR920SWを使用する点は共通しています。まあそんなのは大した問題ではありませんね。
ここからは機械交換で必要になりそうな点をいくつか簡単に調べてみます。
干支足の位置は同じ

左がV348、右がVX43(7N43)。
両方とも同じ位置に干支足を差し込む穴が開いているのが見えますか。1.5時と7.5時のあたりです。(影で見づらいのは許してください)
つまり、V348から取り外した文字盤はVX43に移せます。
文字盤を差し込んでみるとこんな感じ。


優しく指で押し込めばしっかりと固定できます。問題なく文字盤はスワップできそうです。
機械寸法は大丈夫そう
V348に使われていたスペーサーにVX43はすっぽりと収まり、高さなども合います。


2枚目の奥に巻き芯の差し込み先が白く映るのが分かりますかね? 撮影が下手で申し訳ない。
これはリュウズ固定位置から同心円状に配置されます。高さ調整をする心配がない証拠です。7NやVX43に文字盤をポン付けしてリュウズを挿せばいいわけ。
文字盤も付けられてケースにも簡単に収まって、良い感じでここまで来ています。
巻き芯は違う
上がVX43(7N43)、下がV348。機械側の先端を合わせて撮影。どう見ても互換性がない。

オシドリがひっかかるためのくびれが1mmほど離れていますね。その他の長さもことごとく合いません。
VX43にV348の巻き芯を差し込んでみても、案の定すぐに抜けてしまいます。楽ができませんね。
リュウズを外して巻き芯の長さを調整する作業は必須です。
カレンダーは互換性なし
個人的に一番気になっていた箇所。結果は火を見るより明らか。交換不可。
上がV348、下がVX43(7N43)。それぞれ曜板を外して並べたところ。

まず注目するのは曜板の歯車径。あきらかにV348は大きい。そして歯車が分厚い。
また、V348の日板はVX43のそれと比べて歯ひとつひとつが大きく、加えて外周の段差から歯までの距離が異なります。
日板も曜板も直径だけが同じで、そこ以外は別物です。
下の写真は曜板入れ替えて載せた様子。

どれだけ頑張って固定しようとしても沈んでくれない悲しいループにひっかかります。諦めてください。
V348 4時位置リュウズ用のカレンダーはVX43に載せ替えられませんでした。悲しい。
おしまい
文字盤と針を載せ替える機械交換だけなら思いの外すぐにできそうな雰囲気です。針は試してないけど...。
あと、4時位置リュウズとの交換は難航しそうです。
仮にVX43の曜板を無理やり回転させて窓の位置に合わせたとしても、日板は歯の位置を変えられません。4時位置用の角度で書かれたカレンダーを調達しないことには解決しません。あるの...?
まあ、"V348 movement swap 7N43"などで検索しても情報がほとんど見つからない状況を少しでも改善できたらいいかな。
暇ができたらV348の分解記事も作ろうかな、なんて。
では、またお会いしましょう。