この頃は機械だけですがブランド物を分解しようという方針で動いています。
余裕のあるときだけ、お金をかけています。
今回はピアジェの薄型機械の「9P2」を落札。厚さ2.0mmの極薄。0.02mm?知らん。
文字盤はメンテナンスホールの蓋のようなプレス模様。
ギラギラと輝くため、PIAGETの文字がかすんでしまう。
超薄型を売りにしているため文字盤と針のクリアランスが恐ろしく少ない。
嘘でしょ?時針にいたってはもうすでに文字盤に当たってない?
組み立てが不安になるなぁ。ぶつかったら止まっちゃうし気をつけないと。
さあ文字盤を外して見ていきましょう。
ペルラージュがたくさんあってキラキラ。
仕組みとしてはとても単純で、故障も少なくて良さそう。
子鉄車が2枚あるけど大きさが違うから簡単ですね。
しかしツツカナが小さいこと小さいこと。左側半分に写っているのは私の左手の人差し指。
ネジもこれくらい小さくて薄型なため、転がったら一生床を這いつくばる運命が待っています。いいか、絶対に、絶対になくすんじゃないぞ???
表もきれいにコート・ド・ジュネーブ。こっちが好きです。
直径が20.5mmで2.0mm厚。ネジを回すのに力を入れることすら躊躇する薄さ。曲がってしまうんではないかと恐る恐るドライバーをあてがっていくぅ。
見たことのない耐震装置がある。お主、名は何という。
外すときはダイヤショックのように回転させるだけ。
バネっぽい雰囲気はなく、上から爪で石を持っているだけ。
洗浄中に枠と石が外れた。ぱっちんとハマってない。ハマってるのが正解なのかどっちかは不明。もとに戻せたしセーフ。
緩急針は直接動かせず、上部に写っている小さなネジで回して調整。
微調整用のネジかと思いきや、これでしか調整できないもよう。
ヒゲ持ちごと回ったときは結構焦った。
本日も例によって疲れたヒゲゼンマイ。
薄さのために、鉛直方向のブレが致命的ダメージになる可能性を考えるとなるべく触りたくないなぁ。でもこんだけ寄ってりゃやらんといかんな。
しかしまあ部品の仕上げがきれいなこときれいなこと。
ガンギ車もピッカピカ。アンクルに関しては面取りまで行われているようで、どこ掴んだら傷がつかずに済むのか。何かあったら私が傷ついちゃう。
針の駆動は分針カナを使っているようです。
左側をぐるりと回っていく歯車は針に直接作用するわけではなく、これらを通じて1秒が帰ってきて、香箱を介して分針カナが1時間に1回転するわけですねぇ。
歯車の類も表面まで美しく磨かれています。
わかりやすい配置ですね。大きさも順番に小さくなっていくし、カナが全部上。
全体に小さくて大変なものの、迷子が出ずに終了。
一事が万事小さいネジで薄いもんだから、レディース以上に戦々恐々。機械だけでもン万円しますし...。
これもまたケースデザインしてどうにか再生できないか苦労してみましょう。
カジュアルなものがいいだろうと後日デザイン。
では、またお会いしましょう。