こんにちは。
手元の不動ジャンクを開けてみましょう。
見たところ70年代ごろのもののようです。カットグラスと銀の文字盤、女持ちには珍しく秒針もついています。
現在動いていないこちらの時計の機械もまた練習台という名の犠牲者です。ケースは汚れが詰まっている外に何もなく、傷なども浅い。文字盤の焼けも見当たりませんね。
こぢんまりした中身はキャリバー 1104A。調べたところ振り角は50.0°だそう。まあ動かないので知ってもどうしようもありません。
分解は普通にネジを外して持ち上げていくだけで進みます。ゼンマイの解放は忘れずに。
二重になった輪列受けを取り払い、個人的に初めて遭遇したのは、秒カナ?の存在です。
細長く伸びる銀色の棒が文字盤側へ突き抜けてツツカナの内側へ。これに秒針がつくのかと。
秒針なんてなくていいから輪列受けを1つにして段差を消してくれた方がいい。50年前に文句言っても仕方ないけど。
ガンギ車はテンプ側からではなく直接外側へスライドさせて取るようです。
当初焦って作業を中断するくらい。よく見たらミゾ掘ってくれてんじゃん。引っ張り出して折るとこだったわ。
今日はダイヤショックの石も外してみました。
ゆっくり回すだけで着脱できるので簡単。あとパラショックだけさわってない。
かるくベンジンに浸して乾燥させたら戻します。
輪列受けの注油が大変そう。
秒カナ穴石 → ガンギ受穴石 → 下輪列受けかぶせる → 四番車受穴石 → 上輪列受けかぶせる → 三番穴石
Ω状のショックバネが外れないようにできている(外れるには外れる)せいで上から注油ができない。となると裏側から注油?どうするんだ、ダイヤフィックス...。
組み上げてフリフリしてみても元気には動いてくれません。毎回爪石が変な角度で止まってしまいます。
出爪とガンギの衝撃面があとちょっとのところでひっかかって止まる。苦手な爪注油を何度か試みても、やっぱりこの角度で停止。
摩擦以外の原因で止まるように見える。不思議。
組み付け時にどこか折ってしまったような感覚もなかったのになあ。ゴリッとか聞こえなかったし。
元気が出たらまた注油の練習も込めて、分解組み立てしてみよう。
では、またお会いしましょう。