真鍮棒を削って替えの干支足を作ります。
一応の目的は旋盤でまっすぐ削る練習です。目標物があった方がいいと思って干支足を設定しただけ。
まず干支足って何ぞって言われたら「文字盤を固定する棒」ですね。
黒丸部分や左右にもある突起。
数十年前の時計をebayなんかで見ていると、これが折れた文字盤が多い多い。
一方で修理用に干支足のスペアも売られていまして
25本入って9.50英ポンド、日本円にするとおよそ1400円。25本という中途半端な数なのも納得が行かないうえ、ちょっと高い。あと径や長さが全く語られていません。
以下のベルジョン製干支足はなんと100本70米ドル
いかんせん高くて買ってられない。てなわけで用意した材料はこちら。
ごく普通の真鍮の丸棒。直径3mmで長さ300mm。130円弱。
製作物の目標は以下。
これと同じような形で直径もまねていきます。ただ、通販で簡単に手に入る低級ムーブメントに挿せるようにもしたいので、Tecnichal drawingを睨んでそれらしい数字を見つけました。ユニタスはなかなか見つからなかったので保留。
直径(mm) | 長さ(mm) | |
ETA 2824 | 0.75(-0.14) | 2.5(-1.0) |
ユニタス 6497 | 1.1 | 2.25 |
NH35 | 0.64(±0.01) | 2.15(±0.1) |
Miyota 8215 | 0.725(±0.1) | 2.30(3.0) |
NHの細さの誤差が驚くほど厳しい。1/100mmしか許されない。ま、ねじ止めじゃなくてプラにはめ込むんだからそんなもんかね。NHはあんまり使わなさそうだけど。
作業自体は単純で、適度な長さに切って皿を薄くするだけ。
こんなに皿が大きいとやすりがけに時間をとられるので、丸棒から切り離す際にもうちょっと追い込んだ方が楽でしたね。どの長さの塊から削り出すかは旋盤の性能次第ってところかしら。
精度というか、完成度については及第点にも遠い。凹凸が結構あるのと、先太り先細りがあってまっすぐじゃないものが多い。
使った旋盤はよくわかりませんが、借り物の旋盤。聞くところだとAmazonで1万円より安くで買えるそう。謎のブランドですが、おそらく無名メーカーのもの。
中心がガタガタなんてことはなかったから、簡単な工作にはいいかも。刃物台が絶妙に使いづらい以外は別にって感じ。
技術不足じゃなければこれで干支足くらいなら。バカとハサミは使いよう、カミソリと奉公人は使いようで切れるってじっちゃんが言ってた。やりづらい?じゃあ時計旋盤買ってきてください。
スペアの干支足があれば、補強や古い文字盤の再生ができる。使う日が来ればいいな。
ではまたお会いしましょう。