こんばんは。
いつか見つけた時計を”再発見”しました。
セイコー製、スポーツレディ。巻芯がポッキリ逝ってますのでこれを初めて見つけたときはどこか修理してくれるところは無いかと探しました。が、結局「巻芯をコピーする」行為が難しいので、様々なところに断られました。
本日もう一度取り出してきたのは「本当に巻芯が折れているから直せないのか?実はもっと難しい部分があって断っているんじゃないか?」と疑問を抱いたからです。
まずは裏蓋を開きます。バネ棒にひっかけてこじないと力が入りません。
文字盤の縁は腐食が回ってきていますが、緑青は削れそうですし、おおむねケースで隠せそうです。なによりも傷が少なくて状態としてはまずまず。バーインデックスも外れていません。針が白くなっているのは磨ける?
蓋の内側には、最後に手を入れた日付がケガかれています
えーっともしかしてですけれどもね
昭和48年12月9日ですか?
下手したら1948年?昭和だった場合は1973年ですので46年前、'48だった場合は72年前..........
でもしかしこの時計はもともと祖母のものでかつ、スポーツレディが生産されていたのは60年代。しかして考えれば昭和48年が妥当でしょう。60年代のどこかで購入して10年前後使って修理に出したと。
私の予測が間違っていなければ46年ずっと放置されていた。
ほらまあ機械も錆びますわな。
ゼンマイの入っている角穴車(右の一番大きい歯車)周りがもうサビサビ。完全に固まってしまっています。外して見たくても、ネジの芯まで錆びていたら折れておしまいですからねえ。
巻芯も深いところで折れてしまっているのでどうすればよいのか。
このまま抜いてしまっていいのか。それ以前にオシドリは押しても耐えられるのだろうか。割れたら作れないんだけど。
一応テンプはふわふわと動きます。
まだ助かる... まだたすかる... pic.twitter.com/LOh614zM0X
— U (@hal_0_kaw) 2020年1月27日
この部分まで止まっていたらさすがに一流でも施しようがないかもしれません。
香箱が固まっているので針を動かすまではいきません。とはいえテンプ・アンクル・ガンギまでは軽快に踊るのを見えたのはひとつの収穫かもしれません。
裏蓋を開いて目を疑ったのはこの部分。
SWISS MADE!!?!?
どういうことだってばよ。確かにセイコー製の時計を触っていたはずだぞ。ひょっとすると結局はスイスの”力”の前では日本のメーカーも歯が立たなくて飲み込まれたのか。この事実を知ってしまった俺は明日も生きていられるか心配になってきた。私のような勘の良いガキは...
安直な考えでスイス製→ETA、ならばテンプの下にETAの紋章があるはずだ。
違うな。ETAじゃない。枠の中が違う。
中央下部に一本大きな線があるもんなあ...。
んでまあネットを2時間以上さまよって手に入れた表に照らし合わせると、今回のムーブメントはユニタス製となります。
テンワの少しだけ上側に横棒が見えますよね。
本当はおそるおそるテンプを持ち上げて確認しました。ネジ折ったりヒゲゼンマイ絡ませたりしたら絶望して2日くらい寝込みそうな勢いで。
でもネジ外せたってことは、ゆっくりゆっくり進めれば全部分解できる...?
仮に分解できたとして私はオーバーホールがまだできません。どうしてやることもできないのです。残念無念、また来年。
とあるサイトで調べたところこの時計は1968年製造だそうで。
来る「いつか」にこの時計を。
では、またお会いしましょう。