ユニタスよりでかく重い機械に苦労した甲斐あって、もう大丈夫。
組立は簡単です。
まずはゼンマイにグリスを塗りまs
な、なんじゃこりゃぁ。ゼンマイがツギハギになっている。
切れたゼンマイを再利用したのか、はたまたこれが生まれたままの姿なのかは時間のみが知っている。
諦めて油を塗っておきましょう。普段レディスばっかりやってるからアホほど大きく感じる。
さぐり棒で歯車の縦アガキを確認しました!
十分残っていました。縦アガキが少ないと上下からググッと押された状態ですから、歯車がなめらかに回りません。
使われてたのか使われてなかったのか不明なのもあり、摩耗した部分は少ない感じ。さびがちょっとあるけど。
ネジ式のオシドリは組み付けが面倒です。
差し込むわけではなくネジでぐりぐり押されてしまうオシドリは裏返しにしてネジを回すと落ちてしまいます。そこで機械を持ち上げて指で押さえつつ、ドライバーを操作するのです。
この辺りはしっかりグリスを塗らないとめちゃくちゃ固いです。
でかいバネ部品を動かすためには相当の力が求められます。折りそうでちょっと怖いよね。
残念ながら受け石は小さく穿たれています。
この傷は天芯にとって大きな障害で、回転における摩擦が激増します。
写真のような症状は使い古された時計では頻繁に起こります。オーバーホールしなくても動くじゃんと思っていたらこういうところにシワ寄せがきます。
一応油もさして動くようになりました。懐中時計って結構な量の油を吸いますね。使っているオイラーでは何度もささねばなりません。
振り角は平置きで240°、縦で180°。石や軸が汚れているのか、側面に抵抗が存在するようですね。初めからたいそうな期待は抱いていませんからオーケーオーケー。
ちなみに1姿勢での安定感は大したものです。大きく腕の伸びた緩急芯は調整に便利。
見た目は変わりませんが元気な顔をしている気がします。
カチカチと大きな音を、本当に遠くでも聞こえる音を響かせています。人によっては耳障りと表現するでしょう。私にはカワイイ音です。
これから本格的な暑さが到来してくるなかで、ポケットに突っ込んでいると汗でおぼれてしまいそう。今は壁にかけて眺めておきましょうか。
では、またお会いしましょう。