CYMA FLEXの名で広く見つかる手巻きムーブメントをオーバーホールします。
ジャンクの箱の中から拾った機械ですがなかなか使えるようで。
もちろん裸の状態から始まります。
出車方式の秒針。個人的には無くてもいいけど、今回は秒針が必要だからちょうどよい。
針抜きと同じ要領で外します。
そっとゆっくり外します。軸は簡単に歪むため注意。
秒カナも一緒に取り出します。裏輪列をさわるときにこれらは邪魔になります。
ひっくり返して日の裏へ。
かわいいねぇ、カレンダー無しは。
バリエーション機にはカレンダー付もあるようです。
切替部品もクラシカル。そりゃクラシックな機械だから当たり前なんだがね。
古い機械だからここも全部外しましょう。
オシドリはネジ留め方式です。回しすぎると外れて戻しづらくなります。私は付けなおすのが下手です。
さて表へ戻ってなんちゃって両持ちテンプを外しましょう。
ヒゲの偏りは不明。まっすぐ寝てくれないから。
裏側のネジ。これは耐震装置の一部っぽいですが、なるべく回したくありませんね。ヒゲゼンマイも近いし、こういうネジはすぐ潰れがちです。
機械自体はタバンヌのもの。17石ですが2番車はメタルブッシュ。
ところがこの角穴車と香箱がくっついて外れません。困りました。
時々いるんですよ。こういうラブラブの子たちが。
ひっぺがすのがはばかられます。嘘です。
輪列は一目瞭然。
2番車はでかい。3番はホゾが長い。もう十分。
地板側の耐震バネはネジで止まっているだけ。構造も現代とほぼ一緒。
分解組立が簡単で、ダイヤショックと並んでとっても好感が持てる装置ですねぇ。
テンプ側はバネをグイっとズラして続行。
裏側からネジを緩めたほうが確実かもしれない。でも今回はピンセットで押して左右に動かせたため、ヨシってことで。
やっぱり手巻きカレンダー無しは素直でいいですね。
さて機械は洗浄して注油組立を経て様子見をしています。
縦姿勢で220°を超えて振っていますから悪くありません。平姿勢でも250°を超えます。
この子にはまだ仕事があります。
では、またお会いしましょう。