がら箱からレディースのTIMEXを発掘しました。
カレンダーが早送りできませんでしたが、修理自体は可能なようです。
症状はカレンダーの変更ができない、様子としては早送り・針回しともにカレンダーが回らない。あとINDIGLOが光らない。
ジャンクなら誰も悲しまない。せっかくだから中を開けていじってみようじゃないか。
中はこんなかんじ。
CR1216を使用する機械。電池寿命もなかなか長いようで4~5年。もちろん灯火を使えば使うほど早まりますが。
この機械はカンヌキを上げて巻芯を抜きます。本物のカンヌキみたいだね。
丸の中にある金属部品を上げた状態で引っ張ってやると抜けます。
機械の新旧でここは若干変わるようで、近似の部品を押す場合もあるようです。
文字盤は圧入。はずしたらいきなりカレンダーが落ちました。
INDIGLOで光るのはこの文字盤部分。
問題の文字盤裏。ピカピカした部品の少なさが目立ちますねぇ...。
左側にジャンパー、右下(31,1あたり)に日板送りの歯車があります。プラ歯車はすぐ歯が潰れるから苦手。
とりあえず早回し用の歯車を増し締めしておきましょう。日板を外してロディコで拾います。
締めるといっても少しです。キツすぎると、引き出し0段階(通常時)と2段階(針回し)でもカレンダーがぐるぐる回るため使い物になりません。
これを戻して、カレンダー機構を定位置へ返して、文字盤を取り付けます。
察しの良い人はもうお気づきかもしれませんが、ここが気をつけるところ。
なぜか?
文字盤が 圧入+カレンダー押さえを兼ねる+INDIGLO だからです。
まず圧入しなければならない文字盤に発光部分があるため、下手にぐりぐり押すと割れて光らなくなる可能性があります。
弱気に押し込むと空間ができて、文字盤がカレンダー抑えとしての役割を果たせなくなります。するとカレンダーが浮き上がって正しく回らない状態に...。
何度か触って感覚をつかむしか方法がないように思えます。
文字盤が終わったらまたもや罠が。
針をつけるときに冷や汗をかきました。
このカナがズボッと抜けてきました。電池を入れてかつ金属の上で針入れを行っていたのに。
てなわけでここを点で支えて秒針を挿します。
なんとお行儀の良くない様子でしょう。一瞬しか使わないから見逃してください。そもそも分解に適した作業場じゃないから!
一命をとりとめたレディースTIMEX。INDIGLOは文字盤のほうがもうダメになっているようで押しても引いても光りません。使う人いるの?
TIMEXといえば使い捨てのイメージが強く、仮に修理を受け付けてくれたとしても交換だけしてサヨウナラなブランド。
真面目に修理センターを探していればその時間と修理費用で新品が買えるといつもバカにされています(うちでは言われてます)。
窓からカレンダーの歯が見えてる、ケースがメッキ、裏蓋がかたすぎるなどなどツッコミどころがたくさんあります。
電池の入手が容易でかつ寿命が5年前後と長め。これらを天秤にかけて考えたら...。
口出しは控えたほうがいいですね。はい。「私は」選びません。
では、またお会いしましょう。