前回に引き続きハジメマシテたちについて掘り下げてみましょう。
タノシイヨ。
Junghans 667.20
MADE IN GERMANY。工具と刃物のイメージしかない。
ユンハンスはかつて自社ムーブメントの開発を手掛けていたなんて話を耳にします。これもその一環でしょうか?
精度は不明なものの、半プラ・半金属の地板に金属製の歯車、穴石もがっちり7つ装備。
今日の基準で見ても豪華な仕様の機械が作られなくなったのは悲しい。
ETAに征服される前の抵抗が垣間見えて楽しくなります。
SEIKO 43A
コンパクトなアンティーククオーツ。真ん中に43Aの刻印が見えますね。
これを見たときの感想は「かわいい」でした。
見た目。水色のおさえに金色の大きな文字でたくさん書かれています。もっと小さくできなかったのでしょうか。かわいい。丸ゴフォントもいい。
サイズも直径18mmほどで1970年代基準で頑張っていると思います。
トリマコンデンサがデカかったりICがリュウズの真横にあったりと、努力がみえてかわいい。
BULOVA(CITIZEN) P112
BULOVA Precisionist に搭載されるクオーツの機械で、動きが少し特殊です。
秒針がチックタックでもなくチッチッチッでもなく、スイーっと滑ります。掛け時計で見るスイープ運針ですね。
通常、クオーツの秒針は等間隔(1秒、0.5秒ごとなど)で針を進めるステップ運針で動きます。
一方このP112は途切れることなく、まるで等速直線運動かと見紛う運針のスイープ運針を再現しています。
機械の中央から少しずれたところに受石が見えますね。きっとここに高速回転する歯車があるはずです。機械式と同じくらいの頻度でオーバーホールしないと油切れで大変なことになりそう...。
TITAN T9018-6J
こちらが今回の目玉。
TITAN社製のスリムクオーツムーブメント 9081。インドの時計メーカーTITANが出すEDGEに搭載されています。ETA 210.001なんかに負けないくらい薄い。
そしてこのTITAN社は多くのデータシートをそのホームページで公開する大胆さを持ち合わせています。
確かにそうすればOEMの話をもちかける前に時計の原案を作れますし、我々のようなワンオフ自作をして楽しんでいる人たちにも優しい。
懐が深すぎるぜ、TITANさんよぉ。
でも受けに装飾的仕上げが全く施されていないのはどうかと思う。
またEDGEシリーズには超薄型手巻きを搭載したケース厚6mm以下の意欲作が2023年5月現在30万円強で販売されています。気になる気になる...。
さいごに
古いものばかりかと思いきや、近年成長が目覚ましいインドの機械に出会えたのはいい刺激でした。
中古のEDGEがebayで1万円前後で出品されているのを眺めて指をくわえる日々です。
時計たのし〜。