以前作ったキメラウォッチを腕に巻いて今日も仕事場に向かいながら、私は思いました。
「40mm径、10mm厚のステンレススチールって重たいな...。」
てなわけで打ち捨てられたジャンクボックスをひっくり返すと、ふるいふるいタグホイヤーが出てきました。
紹介
2000シリーズっていうんですか?ブランドには疎いんでちょっとわかんないです。
こういうやつです。
黄色でかわいいですね。金色文字盤を持っていない私にとっては新鮮なカラーリングです。
逆回転ベゼルとねじこみリュウズ、スクリューバックと防水性が高そうな仕様。
でも発見当時はひどい状態でした。
回らないベゼル、カパカパのリュウズパイプ、垢まみれのケースやベルト、ささらない曲がった秒針。そして電池を入れてもパルスが出ない機械。
搭載されているのはETA 955.412のクオーツ。これまた往年の機械。
コイルに入った傷が明らかな原因。
残念ながら955シリーズはコイルのみの交換が不可。回路ブロックにすでに溶接?接着?されております。つまり、回路ユニット(コイル込み)交換が必要です。
動くようにする
とりあえず動けばいいかと思ってこんなものを試してみました。
代替回路ユニットです。なんと送料無料の US $6.5 。安すぎる!
それもそのはず。これはかなり古い部品です。プラ部分が緑ですし、そもそもトリマコンデンサがついてますし、おそらくETA 555.xxxの回路を拾ってきたんでしょう。
出品者はNewとか言ってますが正直かなり怪しい。
とりあえず載せてみてしばらく様子をみると、どうも毎日10秒遅れていきます。
良いか悪いか調整ができるようになっていますので、トリマコンデンサを回しつつ再び観測。
ダメです。-1秒から先にいけませんね。
なぜ?
ちょっと機械に目を落としてみると、怪しい点が他にもあります。
固まった古いフラックスのようなものがカプセルの周辺に...。
もしかしてカプセルを別のものから移植したとかないよね??
これは問題ないとしても、水晶振動子の劣化が考えられます。
ETA 555.xxxは80年代後半までしか製造されてません。短く見積もっても35年以上前のクオーツなら「動くだけマシ」と割り切るしかありませんね。
おしまい
6ドルで「とりあえず動く」タグホイヤーに転生したわけですが、自分としては微妙な気持ちです。
後継機っぽいF06.111を入れるとちぐはぐになって良くないかな?
手持ちの機械にETA 955.xxxかなにか、もう少し新しいものがあったはずなので、そのうち入れ替えましょう。もし無かったとしても、新品4000円くらいですし。
では、またお会いしましょう。