こんにちは。
ガラスを磨く必要があるのは、古い時計好きに共通する仕事じゃないでしょうか。
今回磨くのはミネラルガラス。
以前紹介したクリスタルセブンの風防です。
こいつの面倒なのは3点あって
- 高さがある
- 内側がカーブしている
- テーパーがある
特殊な形状もあって、どうにか使いまわさないと代わりのガラスに大金がかかりそうです。
回避のために自分なりの方法でガラスの傷を修復できないかな。
まずは普通の砥石で大きな傷をとる。平面を保つために均した包丁用砥石で20分ほど。
爪がひっかかる深さのものはまず消す。
このままだとやはりただのすりガラス。時間を読むだけならいいけど。
さて定石ならここから「酸化セリウム」を含む研磨剤を使ってじっくりじっくり透明度を増します。
本日は実験として酸化セリウムを使いません。用意したのは「酸化アルミニウム」(Al2O3)を含むコンパウンド。
近くのホームセンターで500円(税抜き)。アルミに使えるみたいだし買っておいて損することもないでしょう。ミスミではこんなページ。
これを表面に垂らして板や布きれでケシケシ。1時間ほど経過。
さらに1時間経過。透明度出てきてませんか?
この後も30分こすりましたけど、アルミ用2000番では限界を迎えたようです。
さすがにまだ白さを残すのでもう一声出して、「貴金属用#10000-#15000」を用意。実験とはいえ1000円も使ってしまった。
でも結果はほとんど変わらずほんのり白いままでした。
御託は良いから組み上げて様子を見ればいいんだ。
弱い光では気にならない一方、強い光にさらされた際は小傷による影やザラつきが顕著です。やはりピカッとつるつるには至らないようです。「ある程度の効果」だけ得られる、と考えるのがよさそう。
コンパウンドをそろえると1500円2000円とお値段が少しずつ吊り上がっていく。と考えたら初めから2000円出して酸化セリウム入りの研磨剤を買う方がいいような。ガラスを磨いた先達は酸化セリウムでも数時間、はたまた数日の努力を求められたようで...。コスパ的にはあんまり変わらんかな?怪しい酸化セリウム粉ならAliexpressで数百円でも手に入る。
人に渡すものじゃなければアルミナ研磨剤でもある程度代用可能とわかったのが今回の実験ですね。
なぜ今回酸化アルミニウム入りのものを選んだのかというと、このAl2O3はルビーやサファイアと同じコランダム、つまりモース硬度が9と高いわけです。硬度が6程度のミネラルガラスよりも硬く、削るには十分だと考えられるからです。
結果は削れました。が、削り方が悪かったのか時間が少なかったのか、目視できる大きさの傷が残りました。番手の高い砥石で磨く方がよかったのかしら。
準実用レベルまで復活したクリスタルセブンは気が向いたら着用してあげましょうかね。
では、またお会いしましょう。