先日、某オークションサイトでセイコーの自動巻腕時計を入手。これが珍しくレディースでした。
セイコーファイブなどの男物は手に入りやすくても女性ものは他で見かけないこともありちょっと頑張って落札。
稼働品で手に入れましたが使いたくて買ったのではなく触りたくて買ったため、もちろん分解して油をさしてもう一度形を戻して初めて終了するわけです。
まずは裏蓋を回して中身とご対面。cal.4206A。
小さい機械がぎゅっと詰められています。スペーサーを使わなければまだ小型にもできそう。
ローターが1/4サイズでこの秒カナおさえの板は見覚えが。
干止めの形は初めて見た。
細いほうをドライバーなどで押して回す方式っぽい。よく見るネジ頭だと滑ってテンプへ衝突する恐れからでしょうか。
他の場所に干支足を挿せばよかったのでは...。
文字盤を外してこんにちは。これもどこかで見覚えが。
ネジが同じ大きさで安心。回して外すだけで大丈夫。
カレンダーのジャンパーがはじけることもない。
いやしかしこの特徴的な部品は絶対に...。
近代の国産自動巻きで切替の形が一緒なわけね...。
バネを収めるための場所や裏おさえの形状は身に覚えがあります。同グループの別名義の会社で同じようなものがあって...。
まあ気を切り替えて表側へ向かいましょう。
ローターはケースから取り出す際に外したため、不在。
時計まわりで伸びるテンプ受、薄型マジックレバー。巻芯付近のプラ部品。私は知っている。
伝え車の黒グリスが歯以外のところに滲んでいたらOHの時期らしいです。こいつもちょっと浮いてきてた。
まあ同じものをいじくりまわしても仕方ないので最後の核心に触れましょう。
結局ここですね。テンプ受の下の「地板」が、ガンギ車を阻む板を挟み込む構造。
裏蓋を開けた時点ですべてを察しました。
これはORIENT cal.55941と全くもって同じ。
オリエントとセイコーのレディス機械式腕時計に使われているキャリバーは名前が違うだけで中身はうり二つ。おそらくセイコーから提供を受けて番号だけを変えているのでしょう。スイスも同じようなもんだ。
私の中で cal.4206A = cal.55941 が成り立っています。
細かい部分は違うかもしれんが。
振り角も270°超えて元気ですし、良しとしましょう。
では、またお会いしましょう。