暇つぶしにネット散歩をたしなんでいると中華ムーブの話をたくさん目にかけます。
今回もう一回おさらいしておきます。
過去にも簡単にまとめた記事を書いていますが、古いし拙いので書き直しということで。
Seagullのラインナップを見ながら。
2022年2月現在このようになっています。
8つが掲載されており、その見た目からある程度予測できるでしょう。簡単に列挙していきます。
ST36, ST3621
手巻き懐中時計ムーブ。ST36 = ETA6497, ST3621 = ETA6498 との認識でよいかと思われます。はっきりとは言えないところ。パネライなどに使われている大型機械の代替品として流通。
腕時計基準にしてST36が9時位置秒針、ST3621が6時位置秒針。
なぜかST36だけ直径が公表されていないんですが...。
ST1612
両方向自動巻きムーブ。文字盤互換はMIYOTA8215と全く同じ。径も同じ。高さが0.1mmだけ大きい。
8215に似た輪列を持ち、巻上機構がセイコーの「マジックレバー」。ある意味オリジナル機械とも呼べそう。
届きたてほやほやの実物で精度を確かめた記事もどうぞ。
ST1901
手巻きクロノグラフ。Venus cal.175のクローン。バルジューとの互換性はなさそう。
機械径の情報が公式から発表されていないのでなんとも言えませんが、完成品の時計として手に入れる場合φ38-40mmのケースが主流のようです。厚さは12mm前後。
ST2100, ST2130
切替車式の自動巻きムーブ。ST2100 = ETA2836-2, ST2130 = ETA2824-2認識。ここには厚さの違いがあって、注意を払わねば失敗します。
社外製(全部そうだけど)の色違いカレンダーやスペーサー等の部品の展開も多数あり。ケースも含め、自作やパチモンの中心を成していた時期があったようです。
ST1812
切替車式の自動巻きムーブ。ETA2892A2の互換。先のETA互換と比べると高価な機械です。使われる頻度は低く感じます。
写真で見る限り仕上げがちょっと雑なのもあって、シースルーバックにこれが入っていると「うーむ」となる。割り切って使うしかないかな。
ST8000
手巻きトゥールビヨンのムーブ。互換は不明。φ30mm、厚さ5mm。ケース径がデカいのはここ数年の流行に乗ってスペックアップを狙ってでしょうか。
いくらか派生があるようで、掲示板によるとこんな感じ。
St 8230 チラネジ 緩急針 3分割ブリッジ 放射線状ジュネーブストライプ
St 8240 フリースプラング カスタムキャリッジ 3分割ブリッジ 放射線状ジュネーブストライプ
St 8260 チラネジ 緩急針 一枚ブリッジ 同心円状ジュネーブストライプ
おしまい
現状列挙される機械は8つだけ。機械に刻印等は一切ないようです。
Seagullの今までの機械はここに載っておらず探せばまだまだ出てくるはず。どれがオリジナルでどれがクローンなのか、見て感じるだけではなく、インターネットで情報を収集する力が試されます。
英語のフォーラム(Watchuseek や watch repair talk)を泳ぐには体力を要しますが、日本とは比べ物にならないほどオープンな会話がなされていて、価値は十分にあります。
これからもいろいろなSeagullのムーブメントが出てくるでしょう。
随時知識を更新する必要がありますし、追加されたらまた記事を作るのでしょう。
Hangzhouの機械は↓からどうぞ。
では、またお会いしましょう。